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ぼく「ついに、マラソン大会の日がやってきた。」 Tweet
- 2015/02/22
- 06:40
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- 1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:11:08.55 ID:Jt1JZj5R0.net
- ぼく「この日のためにどれだけ努力してきたか…」
アナウンス「6年生男子はスタート地点に集合してください」
ぼく「勉強もできず友達もいない僕だが、走ることだけは好きだった。」
- 3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:11:48.24 ID:Jt1JZj5R0.net
- 運動クラブには所属していない。50mなどの短距離は遅い。しかし彼の力は長距離で発揮される。
彼は年に一度の校内マラソン大会で優勝し、ヒーローになるため涙ぐましい努力を続けてきた。
放課後は毎日走り込み。コースを事前に調べ戦略を練った。
- 6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:14:57.64 ID:Li6cpeil0.net
- あいつ何ブツブツ言ってんだ?
- 7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:17:03.72 ID:Jt1JZj5R0.net
- そして…
アナウンス「5年生男子の部の優勝は、ぼく君です。おめでとう。」
他の生徒「えっあいつが?すげぇじゃん」
ぼく「ついにやったぞぉぉぉ!運動部連中を差し置いて僕が一番だぁ!!」
・・・
ぼく「あれから1年、今回は2連覇がかかるわけだ。ノーマークだった去年と違って期待が大きい。しかしそれを乗り越えてこそ最強の称号を得られるのだ」
- 9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:24:23.24 ID:Jt1JZj5R0.net
- ぼく「6年生のコースは去年の5年生コースよりも若干長い。しかし僕はこのコースを一年かけて研究し100回以上走っている。抜かりはない。」
ぼく「まぁライバルは5組の吉田だろう。サッカー部で神童と言われ身体能力が段違いだ。」
ぼく「しかし僕はお前と違って走ることだけに全てを捧げてきた。ボール蹴りにかまけてる奴には負けん。」
- 13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:30:15.90 ID:Jt1JZj5R0.net
- 女子「キャー吉田くんガンバって~」
ぼく「ふん、ビッチどもめが。余裕があったら吉田をゴール直前で抜いて奴らを絶望させてやるのもいいな…」
ぼく「いかん、マラソンは己との戦いなのだ。邪心に囚われてはいかん。」
先生「はーい並んでー」
- 14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:34:52.45 ID:Jt1JZj5R0.net
- 男子「ワイワイガヤガヤ」
ぼく「ふん、ヴァカな奴めが。スタート地点で我先にと前にポジショニングをとりたがる…所詮は小学生よ。」
ぼく「こういうのはスマートに後ろからスタートすればいいんだよ。優勝はしたい、しかし必死さを回りに悟られてはいけないのだ。」
- 18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:38:43.92 ID:Jt1JZj5R0.net
- 先生「よーい」
ピストル「パーン」
ぼく「さぁ、落ち着いて行こう。長い戦いが始まる。」
ドドドドドドドド
ぼく「なっ!?一人物凄いロケットスタートをかました奴がいるぞ?」
ぼく「50m走かよ!あいつは確か…転校生の松本!」
松本「うぉーーーーーー」
- 19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:43:37.26 ID:Jt1JZj5R0.net
- ぼく「ぶっ…はははは…あっーはっはっはっ!あいつ馬鹿だ!!馬鹿だろ!あんなペースじゃすぐ息切れだろ!」
松本「うぉーーーー」
ぼく「そういやあいつ普段から馬鹿っぽかったよな。モノホンの馬鹿だったな。マラソンはペース配分なんだよ。頭のスポーツなんだ。」
ぼく「そのまま力果てて後からスタートした女子にも抜かれてしまえ。アハハハハハハ」
- 20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:48:06.80 ID:Jt1JZj5R0.net
- 彼の学校は丘の上にある。スタートし学校を出ると長い下り坂が延々と続いているのだ。
ぼく「どいつもこいつもこの下り坂はビュンビュン飛ばすねぇ。しかし、僕は下り坂こそ押さえて走る。折り返しまでは4分の力でいい。」
ぼく「行きはスイスイ進める下り坂。しかし帰りは地獄のマウンテン。奴らはそれが頭に入ってないのか?餓鬼どもめ。」
- 21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:51:35.66 ID:Jt1JZj5R0.net
- ぼく「おや、松本の奴まだ先頭を走ってるな。意外と体力がある…」
ぼく「もしや単なる馬鹿ではなく戦術として大逃げを狙ってるのか?」
ぼく「いや、焦ることはない。大逃げが上手く決まらないことは競馬で実証済みではないか…僕は僕のペースを守るだけさ。」
- 22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:52:08.06 ID:GqyXkri9p.net
- 何キロ走るん?
- 23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:55:24.81 ID:Jt1JZj5R0.net
- 折り返し地点通過
ぼく「さて、ギアを上げていくとしようか。」
ゴゴゴゴゴゴゴ
ぼく「ここまで体力を温存している分、羽が生えたように足が軽いぞ。」
ゴゴゴゴゴゴゴ
ぼく「ふはははは。どんどん抜いていくぞ。これよ!この快感よ!他の奴らはもう体力をあらかた使ってしまってるんだ。だからこそ出来るこのごぼう抜き!!ふはははは」
ぼく「僕は今、風と一体化している。風に乗っている。どこまでもいける!飛んでいる。ふぉわーー」
- 24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:56:18.45 ID:8hKO+wvj0.net
- ふぉわー
- 25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 17:57:22.70 ID:0fHPANuSd.net
- 喋りながら走ると舌噛むよ
- 26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 18:00:31.15 ID:Jt1JZj5R0.net
- ぼく「さて、後は前に5人程か。ゴールまでは後少し。しかし焦る必要はない。」
例の地獄のマウンテンがお前らを阻むのだ。
足取りは重くなる。地面に足が吸い付くような地獄の坂が学校まで続く。
ぼく「案の定上位集団がペースダウンしてきたぞ!この坂道が最大の勝負所…何度もシュミレーションしてきたんだ!」
- 27 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 18:08:53.35 ID:Jt1JZj5R0.net
- ぼく「3位まで上がったぞ。あと前には…吉田!」
吉田「はあはあ…」
ぼく「おやおや、どうしたんですかぁー?サッカー部の神童様よぉ。」
ぼく「まさか運動部に入ってない僕に抜かれちゃったりしないよねぇー」
ぼく「ほいじゃお先ぃ~!」
ぼく「ふはははは…あいつは僕に抜かれた事実を一生背負って生きていくんだな。将来何度もなく思い出して悔しがるんだろうな。最高だ!」
ぼく「あと前には…松本…ただひとり」
- 29 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 18:16:47.36 ID:Jt1JZj5R0.net
- 松本「うぉーーーーーー」
ぼく「松本よ、お前は本当によくやったよ。大健闘だ。ロケットスタートの後もペースを殆ど落とさずゴール目前まできた。」
ぼく「でも流石のお前も地獄の坂道には足をとられたんだな。坂道がなかった僕はヤバかっただろう。」
ぼく「満身創痍だろう。もうボロボロなんだろう。気力だけで走っている状態。お前も優勝を狙って日々トレーニングを積んできたんだろう。」
ぼく「でもな、ごめんな。僕はまだ少しだけ余力があるんだよ。つまり後一度だけスパートをかけれるということだ。」
ぼく「それでお前を抜く。スタートからずっと首位で最後の最後に僕に抜かれるんだ。悔しいだろう。しかしそれがお前の運命だ。主役になるのはこの僕なんだよ。」
- 30 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 18:22:27.11 ID:Jt1JZj5R0.net
- 運動場では既に走り終わった他の学年の生徒が集まっている。大観衆の前でゴールテープを切る。それは学校人生最大の誉れである。
ぼく「さぁ見せてやるよ。僕の最後のスパートを…」
ぼく「はぁぁぁぁぁぁぁぁぐぉぉぉわぁぁぁぁー」
パパパパパパパ
ぼく「僕の体を閃光が包んでいる。まばゆい光の中で僕は優雅に加速する。栄光へ、最高の名誉へ」
ぼく「ラストスパァァーーーーット!」
- 31 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 18:24:29.08 ID:Jt1JZj5R0.net
- ぼく「・・・」
松本「・・・」
ぼく「・・・」
ぼく「何故だ。」
ぼく「何故差が縮まらない?」
ぼく「何故なんだ!あと150mしかないぞ!」
- 33 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 18:31:26.84 ID:Jt1JZj5R0.net
- ぼく「もしや、あいつもスパートをかけてるのか?」
ぼく「あれだけスタートから飛ばしてどこにそんな力が残っているんだ!?」
ぼく「あ、あいつは…天才…?」
ぼく「僕の努力ではどうにもない…天才」
松本「ふふっ」
ぼく「振り返って笑いやがった。…負けたよ。僕の一年間の努力はお前の前座に過ぎなかったんだな。」
- 34 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 18:36:44.88 ID:Jt1JZj5R0.net
- ぼく「涙が出てきやがるぜ。2位なんて最下位と一緒だ。」
ゴール
ぼく「負けた。負けたんだ。僕が…うわぁぁぁぁぁえーーーーん」
アナウンス「6年生男子は3組の、ぼく君でした」
生徒たち「ぱちぱちぱち すげぇ2連覇だ!」
ぼく「えっ?」
- 35 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 18:38:56.76 ID:Jt1JZj5R0.net
- ぼく「ま、松本だろ1位は?」
先生「えっ?松本くんなら先週また転校していったぞ。」
ぼく「じゃあ僕と一緒に走ってたのは…」
- 37 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 18:51:23.23 ID:+Y2UGr6I0.net
- 終わりか
- 38 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 18:53:48.41 ID:gDIRU3Il0.net
- え……ホラーなの?
- 39 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします :2015/02/19(木) 19:01:35.48 ID:+RgDBk3gM.net
- 松本こっわ
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1424333468/
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