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コロ助「ワガハイはここまでナリ……」 女騎士「くっ、コロ助!」 Tweet
- 2015/06/30
- 06:10
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- 2 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 13:27:37 ID:OgnjxItw
- 女騎士(なんでも、かつては“キテレツ”や“キテレツサイ”なる者に仕え)
女騎士(紆余曲折を経て、今では発明家となった“キテレツ”の道具とやらで)
女騎士(一人で色々な世界を旅し、武者修行してるとのことだが──)
女騎士(本当に戦えるのか? こんなに小さな剣士が……)
コロ助「どうしたナリか? さぁ、出発するナリよ!」
女騎士「う、うむ!」
- 3 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 13:30:13 ID:OgnjxItw
- 女騎士「ところで、コロ助殿……」
コロ助「なんナリか?」
女騎士「失礼だが、あなたは……その……本当に戦えるのか?」
コロ助「む、ワガハイの腕を疑ってるナリか?」
女騎士「いやっ! そんなことはないのだが──」
コロ助「まぁ、見ておくナリ。武士は口ではなく、刀で証明してみせるナリ!」チャキッ
女騎士(刀って……あんなナイフのような短剣でか……?)
女騎士(あんなものがオークに通用するとは思えんが……)
- 5 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 13:33:20 ID:OgnjxItw
- コロ助「じゃあ、聞くナリが、そっちこそ大丈夫ナリか?」
女騎士「!」ギクッ
女騎士「む、むろんだ! たかがオーク、一撃で叩き斬ってみせる!」
女騎士「団長の推薦があったから、仕方なくあなたとコンビを組むことになったが」
女騎士「本来はこんな任務、私一人で十分なのだ!」
コロ助「ふぅ~ん。それならいいナリ」
- 6 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 13:37:12 ID:OgnjxItw
- コロ助「あれが、オークとやらの住む洞窟ナリね?」
女騎士「そうだ、相当に凶悪な魔物らしい」
女騎士「時々人里に現れては、金や食料、さらには命をも奪うこともあるという」
コロ助「とんでもない奴ナリ! 許せないナリね!」
コロ助「よぉし、いざ進めやナリ!」ダッ
女騎士「えっ!? まだ心の準備が……!」
- 7 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 13:41:08 ID:OgnjxItw
- ゾロゾロ…… ゾロゾロ……
「なんだこいつら?」 「チビと女だ」 「オークさんがいってた騎士ってやつだろ」
コロ助「あれ? なんかいっぱい出てきたナリよ」
コロ助「どれがオークナリか?」
女騎士「いや……この中にオークはいない」
女騎士「どうやら、討伐のために騎士が派遣されるのを事前に察知して」
女騎士「人々から奪った金や食料で、仲間であるモンスターを集めたのだろう」
コロ助「むむ……悪知恵のはたらく奴ナリ!」
コロ助「だけど、武士として退くわけにはいかないナリ! 行くナリよ!」ダッ
女騎士「わ、分かった!」
- 8 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 13:44:09 ID:OgnjxItw
- コロ助「でいっ! だあっ! とりゃあっ!」
ドッ! ガッ! ガツッ!
ゴブリン「ぐおぉ……!」ドサッ…
リザードマン「ぐはっ!」ドザッ…
ワーム「ギャアアッ!」ドサッ…
コロ助「安心するナリ……みね打ちナリ」
コロ助「さて、女騎士は──」チラッ
- 9 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 13:46:03 ID:OgnjxItw
- スライム「キシャアァァァッ!」
女騎士「わっ! ひっ! ──く、来るなぁっ!」ブンブンッ
コロ助「た、大変ナリ!」
- 10 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 13:49:17 ID:OgnjxItw
- コロ助「でやぁっ!」
ドカッ!
スライム「うきゅうぅぅぅ……」ガクッ
コロ助「女騎士、大丈夫ナリか!?」
女騎士「か、かたじけない……」
女騎士「あれほど大口を叩いておきながら、とんだ恥を晒してしまった……」
- 11 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 13:52:41 ID:ptJ4mLn6
- 強すぎワロタ
- 12 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 13:53:37 ID:OgnjxItw
- コロ助「女騎士、もしかして……」
女騎士「……ふっ」
女騎士「察しのとおり、私は実戦経験がほとんどないのだ……」
女騎士「こんなザマで、あなたのことを疑ったりして……申し訳ない」
女騎士「笑ってくれ……」
コロ助「…………」
コロ助「笑わないナリ!」
女騎士「え……?」
- 13 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 13:57:18 ID:OgnjxItw
- コロ助「ワガハイだって、昔は弱かったナリ!」
コロ助「しょっちゅうブタゴリラにいじめられて、トンガリにバカにされてたなり!」
女騎士(ブタゴリラ? トンガリ? 魔物の一種か……?)
コロ助「だけど旅をしながら修行して、これだけ強くなったナリよ」
コロ助「最初から強い奴なんていないナリ。みんな、最初は弱いナリ」
コロ助「経験がないのなら、少しずつ経験を積んでいけばいいナリ!」
コロ助「自信を持つナリよ、女騎士!」
女騎士「ありがとう……コロ助殿」
コロ助「元気を取り戻したナリね。それじゃ、洞窟に突入ナリ!」
- 14 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:00:09 ID:OgnjxItw
- <洞窟>
「きやがったぞ!」 「騎士だ!」 「ぶっ殺してやれ!」
女騎士(洞窟内にも、モンスターがうようよと……!)ジリ…
コロ助「女騎士、冷静になって敵の動きを見るナリよ」
コロ助「落ちつけば、そこまで怖い相手じゃないナリ!」
女騎士「う、うむ!」チャキッ
- 15 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:03:08 ID:OgnjxItw
- ガーゴイル「グオオオオオッ!」シュバッ
女騎士(右へっ!)サッ
女騎士「せいっ!」
ザシュッ!
ガーゴイル「ぐわぁぁぁ……!」ドサッ…
女騎士「や、やった……!」
コロ助「その調子ナリ!」
- 16 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:07:03 ID:OgnjxItw
- そして──
オーク「グハハハハッ! ついにここまで来たか!」
オーク「あんだけ仲間をかき集めてたってのに、大したもんだぜ」
女騎士「オーク! 今こそ成敗してくれる!」
オーク「ふん、調子に乗るなよ……?」
オーク「女とドチビなんざに、このオレを倒せるもんかよ!」ギロッ
女騎士「ぐ……!」
女騎士(この殺気、やはり今までの魔物とはケタ違いだ……!)
コロ助「やっとオークのお出ましナリか?」
女騎士「そうだ! とてつもない怪力と格闘能力を誇る、凶悪な魔物だ!」
- 17 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:13:03 ID:OgnjxItw
- コロ助「ふむふむ、まるでブタゴリラみたいな奴ナリねえ」
オーク「なにい!? ブタゴリラだと!?」
コロ助「へ?」
オーク「そこまで屈辱的な表現をされたのは初めてだ! 許せねえ……!」
コロ助「そ、そんなに傷ついたナリか?」
オーク「当たり前だろうが! ブタで、しかもゴリラってひどすぎだろ!」
コロ助「だけど、ワガハイの友だちはそう呼んでも怒らないナリよ」
オーク「どんだけ心が広いんだ、そいつは!」
女騎士(ブタゴリラって友だちだったのか……!)
- 18 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:15:55 ID:OgnjxItw
- オーク「ええい! クソチビ、まずはテメェから片付けてやらぁ!」ダッ
ブオンッ!
コロ助「わっと」ヒョイッ
オーク「おりゃあっ!」
ブワオンッ!
コロ助「おっと」ピョイッ
オーク「く、くそっ! ちょこまかと……すばしこい……!」
- 19 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:17:24 ID:OgnjxItw
- オーク「だあっ! でやあっ! どりゃあっ!」
ブンッ! ブウンッ! ブオンッ!
コロ助「うわっと! 危ないナリねぇ~」
オーク「ヤロウ……!」
女騎士(すごい……! あの速く激しい攻撃を、ヒラリヒラリとかわしている!)
- 20 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:20:44 ID:OgnjxItw
- ブオンッ!
オーク「く、くそっ……! かすりもしねえ……!」ハァ…ハァ…
コロ助「今度はこっちから行くナリよ~!」
オーク「へっ、そんなちっぽけな剣で──」
コロ助「とりゃっ!」
ザンッ!
オーク「ぐおおっ……!」
コロ助「大人になったキテレツに作ってもらった、この刀をなめちゃダメナリよ」チャキッ
コロ助「ただし、めったなことじゃ、刃は使わないナリがね」
オーク「ぐ、ぐうっ……!」
- 21 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:23:24 ID:OgnjxItw
- オーク(くそっ! このチビ、とんでもない強さだ!)
オーク(背が低かったり、素早かったり、思ったより刀が鋭いのも厄介だが──)
オーク(なによりも場数を踏んでやがる!)
オーク(これまで数々のピンチに出会い、乗り切ってきたって感じの動きだ!)
オーク(こうなったら──)ギロッ
女騎士「え!?」ギクッ
- 22 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:25:27 ID:OgnjxItw
- オーク「弱い奴からだ! まずはテメェからやってやる!」ブオンッ
女騎士「きゃああっ!」
コロ助「危ないナリッ!」バッ
ドゴォンッ!!!
- 23 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:27:42 ID:OgnjxItw
- ドザァッ……
コロ助「ぐ……」
女騎士「コ……コロ助殿ォッ!」
オーク「お? こりゃあラッキーだ! グハハハハッ!」
- 24 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:31:12 ID:OgnjxItw
- 女騎士「コロ助殿! しっかりしろ! すまないっ……!」ユサユサ…
コロ助「お、女騎士……」
コロ助「ワ、ワガハイはここまでナリ……」
女騎士「!」
コロ助「だけど……自信を持つナリ……」
コロ助「女騎士なら……きっと……やれる、ナリ……」ガクッ…
女騎士「くっ、コロ助!」
- 25 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:36:07 ID:OgnjxItw
- オーク「グハハハハッ! チビはくたばったか! ざまあねえな!」
オーク「残るテメェもとっととあの世に送ってやるよ!」
女騎士「ゆ、許さん……!」
女騎士「許さんぞ、オーク!」
女騎士「これまでキサマの欲望によって傷つけられてきた人々のためにも──」
女騎士「未熟な私を助けるため、倒れたコロ助殿のためにも──」
女騎士「絶対にキサマを斬る!」
オーク「……へっ、口上はご立派だが、実力がついてこなきゃ意味がねぇなァ!」
- 26 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:39:13 ID:OgnjxItw
- オーク「くたばれやぁぁぁっ!」ダッ
女騎士(き、来た……! 凄まじい迫力!)チャキッ
女騎士(だが、落ちつけ! ひるむな!)
女騎士(ヤツはコロ助殿との戦いで消耗している……倒せない相手ではない!)
女騎士(なにより、この勝負は私だけの勝負ではないのだ!)
女騎士(コロ助殿のためにも、絶対に勝ってみせる!)
- 27 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:42:52 ID:OgnjxItw
- オーク「どりゃあっ!」
女騎士(相手の動きをよく見る!)キッ
ブオンッ!
オーク「なにっ!? か、かわしやがっ──」
女騎士(そして──自信を持て!)
オーク「今度こそォ!」
女騎士「だああああああっ!!!」
ザンッ……!
- 28 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:46:43 ID:OgnjxItw
- オーク「が、がはっ……」
オーク「バカな……オレが、女ごと、きに……」ドサッ…
女騎士「ハァ、ハァ、ハァ……」
女騎士(た、倒した! この私が……オークを!)
女騎士(ベテランの戦士でもうかつに手を出せないという、あのオークを!)
女騎士「!」ハッ
女騎士「コロ助殿!」
- 29 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:50:38 ID:OgnjxItw
- コロ助「よくやったナリ!」
女騎士「……へ?」
コロ助「ワガハイ、女騎士ならやれると信じてたナリよ!」
女騎士「あ、あれ……? オークの攻撃をまともに喰らってたのに……」
コロ助「ワガハイは武士にしてロボットナリ」
コロ助「キテレツに頑丈にしてもらってたから、あれぐらいじゃ死なないナリよ」
女騎士(ロボット……!?)
女騎士「そ、そうか、よく分からないが……よかった……」ホッ…
- 30 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:57:22 ID:OgnjxItw
- 女騎士「あっ、もしかすると──」
女騎士「あなたはわざとやられたフリをして」
女騎士「消耗したオークを私に倒させてくれたのでは……?」
女騎士「私に自信をつけさせるために……!」
コロ助「考えすぎナリよ」
女騎士「……かたじけない」
コロ助「それじゃ帰って、騎士団長さんにご褒美をもらうナリ!」
女騎士「うむ!」
- 31 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 14:59:57 ID:fnlaSw.o
- やだ…このコロちゃんかっこいい…
- 32 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 15:02:16 ID:OgnjxItw
- <騎士団の砦>
騎士団長「よくやってくれた、コロ助殿」
騎士団長「経験の浅い女騎士を導き、オーク退治を果たしてくれるとは……」
騎士団長「あなたを雇った私の目に、狂いはなかったようだ」
コロ助「なんのなんの、これぐらいどうってことないナリよ」
騎士団長「ではさっそく、報酬の金貨を──」ジャラッ…
コロ助「ワガハイ、お金よりもコロッケが欲しいナリ」
騎士団長「えっ、そんなものでよろしいのか!?」
コロ助「そんなものとは失礼ナリ! コロッケはワガハイの大好物ナリ!」
騎士団長「こっ、これは失礼!」
騎士団長「騎士団お抱えのシェフに、すぐに作らせよう!」
コロ助「わぁ~いナリ! やったナリィ!」
女騎士(変わった人だ……)
- 33 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 15:06:15 ID:OgnjxItw
- コロ助「いやぁ~、たくさんコロッケを食べさせてもらったうえに」
コロ助「いっぱいコロッケをもらっちゃって悪いナリね~」
騎士団長「いやいや、満足していただけてなによりだよ」
コロ助「では、さらばナリ」
コロ助「女騎士、これからも修行に励むナリよ!」
女騎士「はいっ!」
騎士団長「旅のご無事を祈っているよ」
コロ助「ありがとうナリ~!」テクテク…
女騎士「……すばらしい戦士でしたね」
騎士団長「うむ、彼のような高潔な人物を、“サムライ”と呼ぶのだろうな」
- 34 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 15:09:53 ID:OgnjxItw
- コロ助「いっぱい食べた後だけど、また食べるナリ」モグモグ…
コロ助「うん、うまいナリ!」
コロ助「さぁて、次はどこへ行くナリかねぇ」
コロ助「ぶらりぶらりと、武士は気の向くまま、ナリ……」
ズデンッ!
コロ助「痛いナリ! ああっ、コロッケを落としてしまったナリ!」
コロ助「ひどいナリ~! こんなのあんまりナリィ~!」
おわり
- 35 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 15:28:34 ID:ptJ4mLn6
- すっげーきれいなお話だった
乙
- 36 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 15:28:37 ID:.oZTdfi.
- 乙
ネタスレかと思ったら熱い展開で素晴らしい
いざ進めやコロ助!
- 39 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 17:03:37 ID:FRVdpJZk
- これはいいコラボ
- 43 :以下、名無しが深夜にお送りします :2015/06/27(土) 21:30:13 ID:dz8hWuS2
- いくらオークでもブタゴリラ呼ばわりされたらそりゃ怒る
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